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2026年4月、多摩美術大学上野毛キャンパスに、
新しいデザイン教育のための大学院 「統合デザイン専攻」を設置します。

SIDでは、高い専門性と広い視野、深く思考する力と多様な発想力、行動する力や経験を、実践的・横断的・有機的に身に付け、社会を豊かに美しく変革し、次世代のデザインの可能性を拓くような⾼度なデザイン⼈材を育成します。デザインという創造⾏為が⼀般化し、その価値が希釈化した現在において、本学は理論に偏らない美術⼤学におけるデザイン教育の本質の強化に取り組みます。

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大学院 統合デザイン専攻(SID)はカテゴリー化されたデザインの専門分野を統合することを意味するのではなく、社会において「秩序ある全体性」を志向します。 また、人間においては、知性と創造性、身体と精神、感性と理性の統合を目指します。

深澤直人

デザイナー/多摩美術大学副学長

研究/実践/批評の統合的アプローチ

An integrated approach through research, practice, and criticism

研究

実践

多角的・多層的批評

SIDのデザイン教育は、研究、実践、批評という3つの要素を統合しています。学⽣は各⾃の研究課題に取り組みながら、多⾓的、多層的な批評⼒を⾝につけ、深い洞察⼒を獲得します。実践においては、企業や⾏政など学外との連携を通じ、社会へのデザインの実装を⾏います。グラフィック、プロダクト、インターフェースなど様々なデザイン領域の学びを基盤としつつ、認知⼼理学・社会学・哲学など⼈⽂的な知を取り⼊れた統合的な視点で深い学びを得ることができます。

学生自身の研究活動

SELF INITIATED PROJECT

研究はSIDにおけるデザイン教育の核であり、独自の研究テーマを深く掘り下げ、感覚や表現の力を論理的・体系的に研き究める力を育成します。理論に偏らない新しく美しい表現方法の探求と共に、学生は自ら課題を発見し、答えのない問題に対して取り組んでいくための思考の力、構想する力、具体化する力を獲得します。

X STUDIOによるデザインの実践教育

X STUDIO : The Hub of Practical Design Education

X STUDIOはSIDにおける実践教育の中⼼拠点であり、企業や⾏政機関との連携を通じて、これからの社会に必要な先進的なデザインプロジェクトを推進します。学⽣はプロジェクトを通じて専⾨領域を超えた実践的、学際的なアプローチを学び、デザインの具体化と社会への実装プロセスを実践的に経験します。この取り組みによって、学生はデザインの未知な領域の探索や具体化能力、社会実装までのプロセスを修得し、実践者として社会に新しい価値を提案していきます。

Immersive LIVE Experience

X STUDIO× ソニー株式会社

touch
凧・線・海
海になる / 海がある

X STUDIO× 3710LAB

supported by The Nippon Foundation

その他、複数のパイロットプログラムが進行中です。

多角的・多層的批評

MULTI-PERSPECTIVE, MULTI-LAYERED CRITIQUE

SIDのデザイン教育において、研究や実践に取り組む姿勢の基盤としての批評の力を育成します。制度や社会システムや環境など、生活を取り巻く全ての事象を統合デザインの対象と捉え、対話型実習やケーススタディを行い、多面的・多層的な批評する力の修得に取り組みます。対象の本質を的確に把握する姿勢や力を養い、デザインに繋げる力、創造性の開拓、思考技術の獲得を目指します。

⾼い専⾨性を持つ教員陣

HIGHLY SPECIALISED FACULTY MEMBERS

SIDには、グラフィック、プロダクト、インターフェース、デザインリサーチ、アートなど多様なバックグラウンドを持つ高い専門性を有する教員がいます。学⽣は教員達から専⾨分野に応じた指導を受けつつ、領域を横断する統合的なアプローチを有機的に学び、創造的な表現⼒と実践的なスキルを磨いていきます。これにより、幅広い洞察⼒と深い専⾨知識を持ち、社会に具体的な価値を提供できる⼒を⾝につけます。

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長崎綱雄

学科長/プロダクトデザイナー

かたちを通してわたしたちの身体は世界と繋がっています。かたちが心地よい感じや優しい空気をつくります。かたちには人の想いや配慮のすべてが含まれ、それはアート・デザイン、空間・立体・平面などの枠組みを越えて現れる知性の姿です。感覚の力を信じ、まだ触れたことのない優しく美しい世界を共に切り拓いていきたいと思っています。

生態心理学を基盤としたAmbience Designを構想。BRANCHの活動を主宰し、アートやデザインの表現活動を通して「調和の原理」「雰囲気のメカニズム」の研究、創造やデザインの方法論の確立と実践に取組む。21_21designsight企画展『Material, or』参加。『DESIGN SCIENCE_01』にて「Medium」寄稿。NAOTO FUKASAWA DESIGN 取締役・シニアデザイナー

佐々木千穂

教授/エスノグラフィックデザイナー

「人とデザイン」の関係を軸に、国内外の多様な現場で協働を行ってきました。人間中心という前提そのものが問い直される今、既存の枠組みにとらわれず、デザインが果たしうる価値や意味を探り直し、社会の中でその意義を再構築していくような試みに、学生と共に取り組んでいきたいと考えています。

エスノグラフィー、デザインリサーチ、経験デザイン、ストラテジックデザインなどを専門とし、国内外のヘルスケア、モビリティ、都市計画、資源保護など多領域でのデザイン実装を支援。現在はポスト人間中心デザインにおける人の役割について研究をすすめている。グッドデザイン賞審査委員として、長年にわたり韓国・ラオス・トルコ・コロンビアなどの国際的なデザイン交流にも携わってきた。

佐野研二郎

教授/アートディレクター

アートディレクション、グラフィックデザインには様々なコミュニケーション領域を超える力があると思います。マークの形や色、ブランディングに人格を加えていき、ファンをつくっていく設計がアートディレクションだと考えています。よりシンプルで強く、太く忘れられないコミュニケーションについて学生とともに研究していきたいと思っています。

TOYOTA、サントリーなどの様々な企業の広告コミュニケーション、映画、演劇、音楽などのエンターテイメントのビジュアルコミュニケーション、動物園やホテルや旅館やレストランのVI、サイン計画。商品開発やパッケージデザイン、キャラクターデザインなどアートディレクションを軸にした仕事をしています。

柴田文江

教授/プロダクトデザイナー

私は「カタチの力」を信じるデザイナーです。そしてデザインとは、人が人らしく生きるための知恵であり、よりよい未来を築くための重要な手段だと考えています。デザインだからこそ見える、フィジカルで人間味のある視点を大切にしながら、まだ見ぬ可能性を掘り起こしていきたいと思っています。共に学び、新しい価値をつくる仲間を待っています。

エレクトロニクス商品から家具、雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。オムロン体温計、無印良品からだにフィットするソファー、カプセルホテル9h、ITOKIワークチェアvertebra03、スーツケース molnなどの企画およびプロダクトデザイン。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』

詫摩智朗

教授/クリエイティブディレクター

社会環境の変化やテクノロジーの進化によって人々の価値観も変化を続け、同時にデザインの領域も更に広がりを見せています。デザインが行き届いていない多様な領域に好奇心を持ち、暗黙の価値を審美的に表現する取り組みに興味がある探索者をお待ちしています。

(株)NECデザイン、McKimm Albemarle Associati(ミラノ)を経てソニー(株)入社。情報端末やVAIO®のデザイン、オーディオ製品の統合的アートディレクション、通信領域(XPERIA®, NURO®等)のクリエイティブディレクターを歴任。CMFや素材開発、インクルーシブデザインなど先行デザイン開発を兼務して現在に至る。東京大学先端科学技術研究センター研究員。

永井一史

教授/アートディレクター

社会や人の関係性に深く関わるデザインのあり方を、実践と思索のあいだで探究しています。組織や地域、制度や文化といった枠組みの中で、人と人、人と社会のつながりを見つめ直し、その本質をデザインによってかたちにすることを目指してきました。学生ともにそのプロセスを共有し、新しい可能性を開いていきたいと考えています。

企業・行政のブランディングや地域のためのデザインなど、領域横断的な実践を行う。著書に「博報堂デザインのブランディング」「これからのデザイン経営」「すてるデザイン」など。

中村勇吾

教授/インターフェースデザイナー

コンピューターメディアにおける”動き”やインタラクションにおいて、新しい表現の可能性やデザインの方法論を模索し、実装することを仕事にしています。現在進行形で変化し続けるメディア環境や表現技術の中に潜りながら、そこに潜む普遍的な面白さや魅力を見出し、掘り起こしていくような活動を、学生と共に行っていきたいです。

インタラクティブメディアから映像までオンスクリーンメディア全般においてデザイン活動を行っている。主な仕事にKDDI INFOBARスマートフォンにおけるUIデザイン、NHK Eテレ「デザインあ」の全体ディレクション、ユニクロのブランディングにおける一連のモーションデザイン、ビデオゲーム「HUMANITY」の企画・ディレクション・開発など。

岡崎智弘

准教授/グラフィックデザイナー

グラフィックデザインと時間表現との接点を深く掘り下げる研究を行なっています。人が視覚を通して動きや構造を感じる性質や、手作業によるプリミティブな制作行為などと向き合います。つくることを通し各々が探求すべき場所を見つけ、日々実験を積み重ね、新しいデザインの視点を発見していく研究を、学生と共にしていきたいと思います。

グラフィックデザインを軸に、映像や展覧会など様々な仕事を行う。主な仕事にNHK Eテレ デザインあ「解散!/集合!」コーナーの企画制作、「HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE インビテーションムービー」、「ゴミうんち展(21_21 DESIGN SIGHT)」のアートディレクション、企業との協働研究プロジェクト「紙工視点」など。

菅俊一

准教授/コグニティブデザイナー

美術大学だからこそできる、新しい表現のための基礎研究というものがあると考えています。まだ価値が定まっていないものや、よく分からないけど魅かれてしまうものの中には、きっとこれからの世の中を大きく変えてしまうような手がかりが潜んでいるはずです。ぜひこのSIDで、一緒にその種を探していきましょう。

行動や意思の領域のデザインを軸に、様々な表現技術の研究開発を行なっている。NHK Eテレ「2355」ID映像企画制作、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」企画、同「アスリート展」「ルール?展」展示ディレクター。著書に「観察の練習」「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」(共著)「ルール?本」(共著)など。

野間田佑也

准教授

可視化は、「見ること」そのものを設計する試みだと考えています。このプロセスは、単なる伝達手段にとどまらず、何を見て、何を見ないかを選び取る中で、新たな問いや見方を生み出すきっかけともなります。このSIDが、制作を通じて可視化された多様な視点が交差し、これまで捉えられてこなかった見方を探る場になればと思います。

人の認識や行動を支える視覚表現に関心を持ち、情報可視化の教育・研究に取り組んでいる。近年は、デジタルアーカイブにおける情報探索支援のための可視化をテーマとしている。研究とは別に、児童書の企画・構成にも携わる。社会的な活動として、市の景観審議会委員などを務め、デザインの立場から景観行政に関わっている。

荒牧悠

講師/アーティスト

物やその構造の特性を、よりよく見たいと思いながら制作を行ってきました。その制作の経験から、作ることは固定観念をほぐすことができる、実感を伴った方法であると考えています。作り、確かめることを一つの手がかりとして、思考を深め、新たな感触に出会えるような場をみなさんと共に作りたいと思います。

構造や仕組み、人の認知に注目した作品を制作している。作るオブジェは動いたり動かなかったり、扱う材料は様々。主な参加展覧会に企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」(21_21designsight)、個展「荒牧 悠 "こう (する+なる)" ― phenomenal # 02」(nomena gallery Asakusa)など。

育成する⼈材像

THE IDEAL STUDENT PROFILE
美的感性
創造的思考力
社会的責任

SIDが育成するのは、世界規模の環境問題や競争、AIをはじめとする情報技術の急速な進歩など、⼈類がこれまで対峙したことのない複雑な時代をデザインの⼒で乗り越え、美しく世界を牽引することのできる⾃⽴したデザイナーです。効率や理論のみの基準に頼らない、美的感性、社会的責任、創造的思考⼒、知識や技術など、デザインが持つ社会的・環境的な影響⼒を信じ、その可能性の実現のために⾏動できる⼈材を育成します。私たちの新たな試みが思ってもみなかったような才能の発掘と開花につながることを信じています。

よくある質問

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

プログラムはいつ始まりますか?

SID(The School of Integrated Design)は、2026年4月に開設される多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程(修士課程)の専攻です。出願受付は2025年秋より開始される予定であり、募集要項および選考スケジュールの詳細は、大学公式ウェブサイトにて順次公開されます。

どのような学生を対象としていますか?

SIDは、複雑で変動する時代に対して、美的感性と社会的責任をもって創造的に応答できる人材の育成を目指しています。専門や経歴を問わず、自らの問いを起点に、思考と実践を往還しながら、新たな価値を構想し、かたちにしようとする意志ある方を歓迎します。デザインの可能性を信じ、自身の力で未来を切り拓こうとする方の参加を期待しています。

社会人や実務経験者でも応募できますか?

はい。SIDは、すでにデザインや創造の実務に携わってきた方々を積極的に歓迎しています。現場で培われた経験や視点は、教育の場においても重要な刺激となり、学びをより豊かにします。そうした知見に研究・実践・批評のアプローチを重ねることで、自らの活動を再構築し、新たな展開へとつなげていく機会となることを意図しています。

教員陣はどのように構成されていますか?

SIDでは、グラフィック、プロダクト、空間、インターフェイス、デザインリサーチ、アートなど、多様な分野で現代の実践を牽引する教員たちが結集し、専門領域を超えた学びの場をかたちづくっています。学生は、そうした教員との対話を通じて、思考と創造を往還しながら、統合的なデザインの力を自らのうちに育んでいきます。

修了後に得られる学位について教えてください。

SIDは、多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程として設置されており、所定の要件を満たして修了した学生には「修士(美術)」の学位が授与されます。修了研究では、論文または作品を基盤としつつ、構想と実装、思索と表現を横断する探究を通して、その成果が評価されます。

学びの内容や特徴について教えてください。

SIDのカリキュラムは、「研究・実践・批評」の三つの要素を有機的に結びつけた構成となっています。研究では、独自の問いを立て、理論と感性の両面から深く掘り下げる力を養います。実践では、社会と接続するプロジェクトを通じて、具体化と実装のプロセスを経験します。批評では、複雑な現代社会を読み解く視点を獲得し、他者や制度との関係性を再考する力を育みます。なお、すべての授業は日本語で行われます。

X STUDIOとは何ですか?

X STUDIOは、SIDにおける実践教育の中核を担う場です。企業や行政、地域社会との連携により、現実社会における多様な課題に取り組むプロジェクトを展開します。学生は、リサーチ・構想・具体化・実装という一連のプロセスを横断的に経験し、専門領域を越えて協働する中で、応答性と創造性をともなった実践力を身につけていきます。

応募方法について教えてください。

SIDでは、ポートフォリオ、実技試験、研究計画書、面接などを通じて、多面的かつ丁寧な選抜を行います。学歴や専門分野を問わず、独自の視点や構想力に加えて、社会や時代に対する洞察力と課題意識を重視します。詳細は、出願開始時に公式ウェブサイトで公開される募集要項をご確認ください。

入学試験の概要

Entrance Examination

統合デザイン専攻の入学者選抜試験では、書類選考、事前課題、小論文による一次選抜試験を行い、独自の研究テーマを深く掘り下げ、感覚や表現の力を論理的・体系的に研き究める能力、与えられたテーマに対する気付きや着想をデザインの力で的確に具体化し表現する能力を見極めます。

スケジュール

出願期間
WEB出願登録/入学検定料支払
2025年12月1日(月)13:00から 12月8日(月)18:00まで
出願書類の郵送
2025年12月1日(月)から 12月8日(月)消印有効
※海外から郵送の場合は12月8日(月)必着
入学試験日程
1次選考(小論文試験)
2026年1月26日(月)
2次選考(1次選考合格者のみ、面接試験)
2026年1月27日(火)、1月28日(水)
※日時は1次選考合格の際に指示
試験日程などの詳細については、最新の多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程(修士課程) 学生募集要項を確認してください。

「事前課題」想定問題

以下の二つのキーワードについて組み合わせながら連想することによって、 あなたが未来のデザイナーとして「考えたい」と思う論点をつかんで問題を設定し、 その問題に応えるかたちで新しい提案をしてください。 提案はアイデアおよびそのアイデアを表したプロトタイプを制作することによって具体的に示すこと。

  • キーワード1 : 食
  • キーワード2 : 都市

提案は、以下の項目を必ず含めたプレゼンテーションビデオを作り、 期日までに提出すること。

  • 背景
  • 問題設定(抽出した論点からあなたが設定した問題は何か)
  • プロセス(設定した問題からどのようにアイデアを絞り、作っていったのか)
  • 提案内容(提案するアイデアおよびプロトタイプの説明)
  • 意義/価値/発展性

基本情報

取得できる学位

修士 (芸術)

入学定員

8人 (収容定員16人)

開設時期

2026年 (令和8年) 4月1日

開設場所

多摩美術大学上野毛キャンパス
〒158-8558 東京都世田谷区上野毛3-15-34

学費

入学金 200,000円 (本学出身者は入学金不要)
授業料・施設費等その他 1,559,000円/年

パンフレット

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